現代コリア

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金総書記は米国に何を望んでいるか②
最終回
連載53回 タイ式開放に関心と金総書記
五味洋治
(2011.4.11)

 

    2000年10月24日

    会談2日目、金はオルブライトからの質問を受けた。対話は、韓国に駐屯する米軍の話題となった。

 

    金は、われわれの立場は変化した。在韓米軍は半島の安定に寄与している。そして「米国と同じように、ここ(北朝鮮)でも私と考えの違う人がいる。彼らは、あなたたちの国のようなレベルの反対にまでは達しないが、米軍は撤退すべきだという人もいる。南朝鮮にも米軍の駐留に反対する人がいる」と述べた。

 

    2回目の会合が終了する時、金は相互理解の重要性を強調した。

    「南朝鮮の人が来れば、私は彼らに、私の頭に角(つの)があるか尋ねる。たとえば、我々も子供をきちんと教育していない。アメリカ人を、アメリカ野郎と呼ばせている」

 

    最後の会合でオルブライトは、国内問題について聞いた。金は国内の経済が「ひどい苦境にある」と認めた。

 

    オルブライトが経済の開放に言及すると、金は「開放とはどういう意味か。言葉の意味をはっきりさせましょう。開放はそれぞれの国で違う意味を持つ。われわれは西洋式の開放は受け入れない。開放は我々を傷つけるものであってはならない」

 

    金は中国式の開放は拒絶したが、スゥエーデン式の開放には関心を示した。

 

    さらに金は「タイは強い王室を維持し、長く、困難な歴史の中で独立を維持してきた。しかも市場経済だ。タイモデルに関心がある」

 

    オルブライトは、タイの経済システムそのものより、タイが君主制を守っていることにより興味を感じているのだろうと思った。

 

    該当のページは、同書の463-466pまで。

 

    この対話録はオルブライトの本の中で公開されているという点で貴重なものだ。金総書記の考え方は、時として変わってしまうようだが、在韓米軍については、その存在意義を認めている。2000年の金大中韓国大統領との南北首脳会談でも、在韓米軍の駐留を認めたと報道されたことがあるので、たぶんこの考え方は変わっていないのだろう。また経済の開放の必要性は常に念頭にあるようだ。

 

    米国と北朝鮮の連載は、いったん今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。

    この一連のシリーズは2008年9月より2009年6月まで米国滞在中に書きためていたものを基にしています。