現代コリア

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第二の国難、情けない政治に喝!
岡林弘志
(2011.3.13)

 

    超巨大地震と津波による被害のあまりの惨状に息をのむばかりだ。

    千年に一度というほどの歴史的な規模だという。津波がすさまじい勢いで地表の車や民家、田畑を呑みこみ奥地まで入り込んで引き返していく様、コンビナートが燃え続け、原発施設が爆発する映像は、まさにこの世の地獄絵だ。

 

    政治のあまりの体たらくに天が罰を下した、とは言わない。それでは被災者があまりにかわいそうだ。政治家のだらしなさへの天の報復を、住民が代わって受けるいわれはない。本来、天変地異と政治は直接関係ない。

 

    ただ、今回の大地震が日本の政治のいい加減さを浮き彫りにし、大災害への対処という試練を与えたのは間違いない。与野党は直ちに「政治休戦」にして、与野党協力して、地震への対応に全力を尽くすことになった。

 

    「政治」の大本は「国民の生命と財産」を守ることにある。とくにこうした大災害に対する危機管理、事後処置をするためにあるはずだ。いままで国会で行われてきた「政治」は、あまりにくだらなすぎた。

 

    民主党政権は、いつの間にか「生活第一」の公約を忘れ、政権を担当する心構えもないままに右往左往しているばかりだ。野党もそんな政権の揚げ足取りに終始して、いわゆる「政局」だけにうつつを抜かしてきた。国会議員の目から「国民」が抜け落ちていた。

 

    そもそも「政治休戦」という言葉がおかしい。政治家やメディアが言い出したのだろうが、こんな大災害が起きた時こそ「政治」の出番だ。このところの「政治」が国会の中での権力をめぐる低次元の争いでしかないのを自ら認めてのことか。

 

    通常国会をしばらく休会にという意見もあるようだが、こんな時こそ国会は、緊急の課題に絞って論議し、よりよい知恵を出す必要がある。立法府としての仕事があるはずだ。そのためにこそ国会は存在し、国民は国会議員に高い給与を払っている。

 

    文字通り未曽有の災害だ。敗戦に続く「国難」といってもいいだろう。与野党は一丸となって、迅速に「国民の生命、生活、財産」を守るための対策を練り上げ、実行することだ。まずは、新年度予算案を関連法案も含めて通し、合わせて災害対処に必要な補正予算を編成し、成立させることだ。野党が気に入らない部分は後から直せば済む話だ。

 

    菅直人首相がいい悪いではない。当面、首相は背筋をしゃんと伸ばしてことに当たる必要がある。少し落ち着いたら「国難対処政権」を作ることも考えたらいい。

 

    超巨大地震被害へ対処は、千万人単位の国民の「生命と財産」に直接かかわる。さらには農業、漁業、工業など経済全体も含め、この国を立て直すことができるかがかかっている。性根を据えてやってほしい。

 

    いま総選挙をやっても、過半数を制する政党はない。政治や政党に対する国民の不信感はそれだけ強い。この日本が直面する課題にまっとうに取り組まずに、枝葉末節につまずいて転んだり、あざ笑ったりするばかりの姿を国民の目の前にさらし政治への失望を深めてきたからだ。

 

    経済成長の時代に育ち、国会議員になったいまの各政党の幹部連中は、経済が順調に動いている時は、極論を言えば「政治ごっこ」をしていればよかった。経済のあがりの分捕り合戦にうつつを抜かし、あるいは権力奪取を目的化して、それが政治と勘違いをしてきた。その甘さがここ20年程の政治の混迷の大きな要因だ。

 

    いま、そんなことを言っている場合ではない。まずは国政が「国民の生命と財産」を守るために存在することを証明して、国民の信頼を取り戻す必要がある。

 

    こう書きながら、北朝鮮による日本人拉致も、まさに「国民の生命」にかかわる問題であると思い起こさせられた。

    時々の政権は、一生懸命やっているところを誇示し、あるいは北朝鮮の対応の理不尽を言い訳に手をこまぬいてきた。被害者5人とその家族が帰って以来、まったく進展がない。

 

    拉致は外国によるテロであり、国家主権の侵害だ。政治は、「国民の生命」を守るため、真正面から取り組み、解決できるよう懸命に努力をしたのか。与野党を超えて取り組むべき問題である。そのあたりの認識が著しく欠落していたと思う。大地震の報道を見聞きしながらあらためて思った。