その意味で、空母ジョージ・ワシントンの黄海入りは、東アジアの冷戦の激化を象徴する出来事でもあります。 世論で政治を変えよう 佐藤 結局のところ、日本も韓国も政治を動かすのは「世論」です。卑近な例で言えば、民主党代表選挙で小沢一郎氏は、菅直人氏に敗れたのではなく、「世論」に敗れたのです。 李明博大統領も哨戒艦のとき、口では勇ましいことを言いましたが、何もしませんでした。今回も色々言っていますが、領土が攻撃されているのに大統領の人相が変わっていません。どこまで原則的態度が取れるのかどうかは、韓国国民の世論です。世論ほどいい加減なものはないと同時に、物凄い力を持っていることは、拉致問題で骨身にしみて教えられました。この対談を多くの人達に理解して頂ければ有難いと思っています。 洪 韓国が直面した脅威は単なる軍事的衝突ではありません。李明博大統領が就任直後の訪中の前夜、中国外交部は「韓米同盟は冷戦の遺物だ」(だから、韓米同盟を解消し中国のいうことを聞け!)と言い放ちました。平壌側は、「休戦体制」を認めないと武力行使に出ました。自由民主主義国家韓国の存続を否定する、現状否定、現状変更の挑戦です。 韓国はこの挑戦に必死の覚悟で臨まなければなりません。向こう側が「現状変更」を仕掛けてきた以上は、こちらも向こう側の戦略を迎え撃つ戦略で対応せざるを得ません。アジアの国々が自由民主主義の生活方式を享有し続けるためには、野蛮や独裁と戦える自由民主主義の連帯が必要です。つまり、東アジアの冷戦で自由と人権が勝利するためには、アジアのナトー(NATO)が必要です。国連安保理も変えねばなりません。 こういう自由民主主義の同盟体制ができない場合は、次善策として韓国や日本も核抑止力を宣言すべきです。 佐藤 今の話はもはやタブーでも何でもありません。中国が尖閣を奪にきており、金正日が韓国を砲撃してきているのが現実です。「鉄は熱いうちに打て」と言います。国民の覚醒が高まりつつある今がチャンスだと思います。 先ほどアメリカがベトナムから撤退したときを狙って、金日成政権はNLLの撤廃を言い出したとの指摘がありましたが、鳩山由紀夫内閣が普天間問題で日米関係を目茶目茶にしました。加えて当時、民主党小沢幹事長が子分600余名も引き連れて、北京詣でをしました。 金正日がこの「変化」を捉え、韓国哨戒艦を撃沈したのです。中国は尖閣諸島に、ロシアは北方領土に、そして金正日は延坪島に攻撃をかけてきたのです。これが現実です。民主党政権の責任は極めて重大です。今こそ世論が民主党政権を批判し、応じなければ排除して、国を守る意思のある政治集団を育てることが出来るのかどうか、歴史の転換期だと思います。 日本は、事態がここまで切迫してきた以上、憲法前文と9条を改正、核保有を主張すべきときです。アジアは質的変化が訪れていると捉えるべきです。日韓両国民の自覚と決意を期待したいものです。 写真説明(上から): 敵の砲撃の中で反撃に出る韓国海兵隊延坪部隊の砲兵隊(2010年11月23日)、停戦協定の調印式(1953年7月27日)、延坪島を攻撃した西海NLLの北側の海岸砲、天安艦戦死者たちの遺骸を運搬する戦友たち(2010年4月)、横須賀を出港する空母ジョージ・ワシントン(2010年11月24日)、北京オリンピックの開幕式(2008年8月)。 |