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米国NGOの支援 歴史と狙い⑦
連載43回目 人道支援の本当の狙い
五味洋治
(2010.11.1)

 

    外国からの人道支援に関連し、北朝鮮の労働新聞が2009年3月22日「帝国主義者が人道主義問題を人権問題と結びつけている」として人道主義を政治的駆け引きに使っていると批判したことがある。

 

    そもそも米国は、敵対する北朝鮮に対する人道支援をなぜ許可し、続けているのか。

 

    国務省は北朝鮮への食糧支援について3原則を公表している。

 

    1、北朝鮮内の食料事情 2、他の国に対する支援と比較した場合の公平性 3、食糧分配過程の検証。

 

    政治的意図はないとの説明だ。

 

    http://fpc.state.gov/documents/organization/109527.pdf  3p

 

    しかし、国務省と国際開発庁が2007年に発表した2007-2012会計年度5カ年戦略計画

 

    http://www.state.gov/s/d/rm/rls/dosstrat/2007/html/82955.htm

 

    は、5つの原則を示し、食糧支援が人権問題改善に役立つとはっきり書いている。

 

    その5原則は1、平和と安保促進 2、自由と人権および民主主義促進 3、教育など人材投資 4、投資経済開発促進 5、相互協力強化-である。

 

    米国議会の議会調査局は2008年7月、米国が北朝鮮に対する米国の人道的支援を再開したのは、核問題の6カ国協議進展によい影響を与えるためだと指摘したこともある。

 

    しかし、米国内でも批判はある。

 

    1999年11月3日には、北朝鮮の軍事的な脅威などの調査を進めていた米下院の共和党9議員からなる北朝鮮政策諮問グループ(座長・ギルマン外交委員長)が報告書を下院議長に提出したことがある。

 

    米国は北朝鮮に対する主要援助国となり、年2億7000万ドル以上の援助をしているが、十分に監視されていない。米国などから援助をさらに引き出そうとしている-と警告した。

 

    これを受け、ブッシュ政権下の2004年1月20日に制定された北朝鮮人権法は、対北朝鮮支援の透明性確保を厳しく求めた。

 

    北朝鮮は米国の意図を知りつつ支援を受け取り、タイミングよくこれを打ち切ることで米国内を混乱させているのは間違いない。人道支援を受けるかどうかも、駆け引きのカードにしている可能性がある。

 

    それでも、北朝鮮とのパイプを保つことは拉致問題を抱える日本にとっても必要なことだろう。

 

    ユージンベルのリントン会長は、日朝関係について「我々のような民間団体が交流していると、国交ができたときに関係がうまくいくと思うが、日本人は北朝鮮を政治的に見る人が多く、募金を呼びかけてもほとんど応じてもらえない」と筆者に語った。

 

連載42回目 結核の実態