そうしても、独裁権力の3代世襲が実質的に成功する可能性はほとんどない。20代半ばの金正恩が金日成と金正日が享有したほどの強大な全体主義的独裁権力を掌握する可能性は殆どない。すでに北韓で権力エリートらの間で権力闘争が起き始め、金正恩の権力が強固になる面倒までを見なければならない金正日は急激に体力を失っている。 国際社会の支援なしには住民が食べられない人口2400万人の北韓を担える如何なる能力も金正恩は見せられなかった。北韓の経済破綻を救うため、もう一人の北韓軍「大将」は要らない。「大将」、あるいは「党軍事委副委員長」という職責は、崩れた経済を蘇えらせるのに何の有用性もないはずだ。ここでわれわれは金正日が末の息子の金正恩を後継者と選んだのは何があっても金日成と金正日が統治した体制を持続させるためであることが分かる。金正日の唯一の目標は金氏王朝の持続だ。金氏王朝は改革開放もできず、核兵器の廃棄はもちろんあり得ない。 それで金正日は顔までも金日成と金正日に似ている金正恩を選んだ。服も同じようなものを着せ、ヘアースタイルまで真似させた。対外政策の側面でも強盛大国、先軍主義という北韓の姿をそのまま維持するため金正恩は「大将」でなければならず、「党中央軍事委副委員長」でなければならないのだ。だが、金正日には不幸であろうが、北韓が現代国家として生き残るために最も必要なことは決して金日成のような人物が出現しないことだ。 金氏王朝確立のための北韓側の挑発に備えてこそ 金正日らは「3代世襲」を公式化するため党規約も変えた。北韓は、民主主義はもちろん、社会主義まで否定する「王朝国家」になった。北韓は今回の労働党規約の改正で「北韓は金日成のもの」であると公式化した。党規の中に「金日成朝鮮」、「金日成同志の党」との用語が使われた。北韓は金日成のものだから、息子の金正日と孫の金正恩が権力を受け継ぐのが当然と強調するのだ。 歴史的に見ると新興王朝が権力を確立していく良い方案の一つが、果敢な対外政策を展開することだ。北韓も国際社会に向けての第一声が、「核は決して放棄できない」との脅しだった。すでにここ2年ほど続いた北韓の対南および対外軍事挑発は3月26日の天安艦撃沈で最高潮に達した。 北韓は天安艦事件を自分たちの仕業でないと否定するが、北韓軍内の隠密な所では天安艦撃沈は金正恩が直接指揮した軍事作戦で、だから金正恩がたとえ年齢が若くても人民軍大将になるのに充分だと言われているだろう。ところが、北の最高指導者になるためには階級上で「元帥」にならねばならず、さらに二階級の昇進が必要だ。言い換えれば、昇進のためには功績を立てねばならず、それで金正日と金正恩親子には第2、第3の天安艦事件がさらに必要だという意味になる。 今や大韓民国と全世界の自由市民たちは、得体の知れない若者が統治する不良国家に立向かわねばならない。王朝国家の北韓を市民国家に変えなければならない。2400万の同胞を王朝時代の奴隷も同然の臣民に放置してはならず、王‐個人が自分勝手に行動できる国を放置する訳にもいかないからだ。 李春根(韓国海洋戦略研究所研究委員、梨花女子大学校兼任教授) http://blog.naver.com/choonkunlee 2010.10.07 23:55 |