それをまざまざと見せつけたのが、9月30日の労働新聞1面だ。 代表者会の出席者230人ほどが8列にずらっと並んだ記念写真が紙面一杯に。同じ記念写真は2面にも2枚載っている(ちなみに3枚の写真とも、第1列は同じ顔触れで、金正日、金正恩が座っている)。 注目すべきはその場所だ。金日成の遺体がそのまま安置されている錦繍山記念宮殿前の広場である。したがって背景には、金日成の肖像画を正面に据えた記念宮殿がどっしりと控えている。 平壌滞在中、案内人に代表者会の場所を聞いたが、開催前は「やればわかるでしょう」と答え、終わってからは「場所はどこでもいいです。内容が大切です」と教えてくれなかった。もちろん労働新聞にも場所は触れていない。 「4.25文化会館」とも推測した。今回売店で買った「国家観光総局」が編集した「朝鮮観光」(日本語版)という本には、「会館では、国家の重要会議と行事、芸術公演が行われる」と書いてあったからだが、案内人は「そこでないことは確か」と否定した。 金正日が姿を現す場合は場所を明かさないことになっているのかもしれない。 帰ってから、朝鮮日報を見ると「党代表者会の会場は、錦繍山記念宮殿の大会議室(1000席)だったことがわかった」(9・30)という記事が出ていた。 なるほどなるほど。この可能性は極めて高い。 代表者会の録画中継を見ていると、壇上の背景の白い壁に金日成の立像がレリーフになっているらしく、その部分に柔らかい光が当てられ、金日成の姿が浮き彫りになっている。 要するに、金日成が見守る中で、44年ぶりの党代表者会が開かれ、金正日が総書記に再推戴され、三代目が初めて公の場に姿を現したのである。しかも一代目そっくりの格好で。 金日成の威光のもとに、「金王朝」の継続を演出するには、これほどふさわしい場所はない。 |