現代コリア

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中国の傍若無人な国際形態に対する戦略的解釈
李春根
(2010.8.6) 

 I. 天安艦事件と韓半島周辺国の態度
天安艦が北韓側の魚雷攻撃で沈没して4ヶ月が経った。この4ヶ月間、韓国は北韓を積極的に膺懲する断固たる措置は取れなかったが、大韓民国の安保を強化するいくつかの肯定的な方向への事態の進展があった。

まず、2012年4月17日以後韓国が単独行使することにした「戦時作戦統制権」の転換問題が2015年12月1日に3年7ヶ月間保留され、7月25日から29日まで韓米両国が近来見られなかった大規模の連合軍事訓練を展開し、北韓が再挑発すると直ちに膺懲するという断固たる立場を表明し、9月にまた西海で韓米連合訓練を行うと約束したことなどは、大韓民国の安保のための肯定的な進展だった。

 
 

「天安艦事件」はまた、大韓民国の国家大戦略(Grand Strategy)に肯定的に作用する勢力と否定的に作用する勢力が誰なのかを明確に教えてくれた。

天安艦(*左の写真)事態が勃発してすぐ、直ちに遺憾と哀悼の意を表示して今日に至るまで積極的に大韓民国の立場を支持し大韓民国の安全のため努力する国は米国だった。そして日本も天安艦の犠牲者らを哀悼し、北韓を糾弾するのに先に立ち、大韓民国の立場を積極的に支持する行動を示した。 

反面、中国は天安艦事件が起きてから数週が過ぎるまで、天安艦の犠牲者らを哀悼もせず、天安艦事件が北韓側によって惹起されたという事実を否定し、国際機構を通じての北韓への制裁措置に対しても積極的に北韓を庇護する立場を取ってきた。

中国は、自国の偏狭な国家利益の観点から国際社会の正義と道徳を無視して北韓を庇い続けた。北韓を膺懲するための韓米連合軍事訓練に対して、中国は北韓よりもっと激しい語調で韓米両国を非難しており、北韓がよくやったように、韓米連合訓練が行われる頃西海上でミサイル発射実験を強行するなど、国際社会をリードできる責任のある大国としての行動を全く見せてくれなかった。 

 

II. 天安艦事件後中国が見せた国際行態(foreign behavior)とその本質的意義
天安艦事態以降中国が見せた立場は、現実主義国際政治学が説明する通りだった。ところが韓国民と指導者、知識人たちの中には、中国の行動に慌てて挫折した人が少なくなかった。天安艦事件後中国の行動やこうした行動に挫折した大韓民国の驚きをよく整理した新聞記事がある。

ある高位級外交官は、「中国の外交行態は荒かった。修交後18年間築いた交易規模1400億ドル、韓・中の戦略的協力同伴者関係の実体が何だったかを問い直すようになった」と話した。現場にいた外交官たちは、「天安艦爆沈後、北韓の挑発を糾弾・膺懲し再発を防止するため4ヵ月間続いた対中国外交の現場は憤怒に近い」、「駐中大韓民国大使の面談申請は最初から黙殺された」、「天安艦が北韓の攻撃という証拠がないと言うから『説明する』としたら『聞きたくない』という式の手のつけられない状態だった」と伝える。...泰剛中国外交部代弁人は、韓国言論に報道された検討内容を既定事実化しながら五回も声明を出した。中国政府の立場を代弁する人民日報の姉妹紙である環球時報は、「韓国は韓半島問題において中国の理解と協力なしには一歩も踏み出し難いはずだ」と脅迫した。...中国は第三国との対話で「米国さえいなかったら韓国は既に懲らしめたはずの国だ」という趣旨の言及もあった。ある外交官は、西海訓練と関連、「中国側は『西海には公海がない』という発言までした」と伝えた。(中央日報7月18日付記事から抜粋引用) 

 

上の記事は、中国の行動と韓国の驚きを加減なしで正確に伝えている。しかし、もっと正確に言えば、天安艦事件以後、中国の立場と態度が、以前と顕著に変わったことは何もない。韓国人らがよく知られなかった中国という国の本質(より一般的には国力が急激に成長しつつある全ての国々の本質)が天安艦以後、明確に認識され始めたということだけだ。

多くの人々が、中国が「大国らしくない行動をする」と話しているが、それも正しい話ではない。強大国らは弱小国と違って、隣国を脅かし、生意気で、えらぶって、戦争を挑発する確率が高い。そうでない強大国が歴史上あったのかを考えてみれば分かるはずだ。

韓国の高位外交官が、嘆息しながら「中国の外交行態は荒かった。修交後18年間築いた交易規模1400億ドル、韓・中の戦略的協力同伴者関係の実体が何だったのかを問い直すようになった」と話したのも、現実主義国際政治学で説明する韓中関係ではない。

韓中関係は、本質的には戦略的協力同伴者になり難い関係だ。統一を民族最高の課題と思って国家大戦略の基礎としている大韓民国と、韓半島の現状維持を対韓半島政策の第1原則としている中国が、どうして「戦略的」協力の同伴者になり得ると言えるのか?

大韓民国の大戦略目標である統一と国力増大は、ひとえに現状を「変更」することのみで出来るものであり、中国の対韓半島戦略はひたすら現状の「維持」を通じてできることだ。

18年間築いてきた交易が虚しいと言っているが、貿易の取引をたくさんやる国が平和を成遂げるという国際政治の理論も有名な理論ではあるが正しい理論ではない。貿易をたくさんやる国々が戦争ももっとやる。戦争とは利益の衝突の結果であるが、貿易の取引が多い国は利益が衝突する可能性もまた高いからだ。

ただ、中国の行動が一層生意気に見え、傍若無人に見える理由は、中国の強大国化の速度が非常に速いという点から由来する。特に、世界最強の強大国だった中国(1840年代以前の数世紀間、中国は名実共に世界最強だった!!)が、この100年間西欧列強らによって侮辱を受けたと思い、今過去の栄光を速い速度で回復しつつあると認識する中国人らの歪曲された民族主義や大国認識が、中国の行動を節制されなかったもののように見えるようにするが、中国の行動が強大国の標準的行動からそれほど外れたものではない。韓国の一部の人々が、特に反米主義者らが、中国は他の強大国とは違うはずだと誤った期待を持っていただけのことだ。

国家らは力を増強させようとし、増強された力を維持しようとし、その力を誇示しようとする。弱小国の時平和を愛した国々が、強大国になると平和を愛しない可能性が高くなる。強大国の時好戦的だった国々も、没落した後は好戦性が大幅減少する。結局、国家の行動は、その国が保有した国力(力)と関数関係にあるのだ。

われわれは、中国の国力増強がわれわれに有利な形で作動する部分だけを見ていた。中国の国力の増大は、韓国には運命的に否定的な暗い影を落とすしかない。このような難しい状況に対処する方案を講じることが、まさに戦略論の目的ではないだろうか? 

 

III. 大韓民国の大戦略と中国変数
天安艦事件でわが国の政治家たちや国民が中国の協力を期待したら、それは国際政治の現実を無視した戦略的ナンセンス(nonsense)だ。中国は中国の利益のために行動するだけだ。中国は、大韓民国が平和的に統一を成遂げるよりは、ほぼ滅びて中国に依存することで命をやっと繋いでいる失敗国家の北韓がこのまま存続するのがはるかに望ましいと考える国だ。大韓民国が統一を成し遂げ、隣に大きな国が出現するのはあまり望ましくないという意味だ。 

にも拘らず、中国自身は強大国にならねばならず、アジアの覇権の掌握はもちろん、世界の覇権国になろうと努力する。中国は、韓米両国が西海で訓練するのを極度に非難しているが、彼らは東海、南海、西海を縦横無尽に訓練し、中国の海軍艦隊は西海、南海を経て東海を経由して、日本の北海道と本州の間の津軽海峡を通過し、北太平洋へ航進する訓練を行ったこともあった。自分はどこでも訓練してもよく、韓国はどこででも訓練してはならないということだ。 

 もちろん、中国がそこまで甲高く韓米連合訓練を反対するにはそれなりの理由がある。韓国よりは強大だが、それで「アメリカさえいなかったら、韓国をすでに懲らしめたはず」という暴言を吐く中国だが、米国に比べると中国はまだ弱小国だ。

アメリカは、1994年海軍戦略を大幅修正したことがある。これ以上海では相手すべき敵がなくなった米海軍は、「海上で」(On the Sea)でなく、「海から」(From the Sea)へと海軍戦略の指向点を変えるようになる。そして暫らくの後、キティホークが率いる米海軍空母戦団は西海の深くまで航進したことがあった。(1994年10月28日-29日)

 

 当時中国は慌てて憤怒した。その後も米国は随時航空母艦を台湾海峡付近および西海海域に派遣した。2008年の春、アメリカは「台湾の民主選挙を保護するため」、「チベットの自由独立を支援するため」という名目で台湾付近海域に3隻の航空母艦を派遣し、米国が行う大規模訓練であるのサマー・パルス(Summer Pulse)にも空母3隻は基本だ。米国の空母1隻が参加して東海上で4日間(7.25-7.29)行われた「不屈の精神」(Invincible Spirit)訓練をあのように非難した中国は、自らが虚弱という事実を告白したのだ。

われわれ(韓国)は統一を成遂げることで国家安保への直接的な脅威を除去できるが、中国はこれに反対する。われわれは統一を成遂げることのみで今より強い国家を建設できるのに、中国はそれも反対する。われわれは中国の顔色を窺うため強大国という言葉の代わりに「強小国」や「中強国」と言った、有りもしない概念らを作り出していたが、中国はそれも反対する。中国は、北韓が韓半島統一の主役になることももちろん断固と反対するだろう。

中国がそうするのは、ミオセイモ(John J. Mearsheimer)教授の指摘通り、中国が誤ったとか中国の指導者らが誤った道に導かれた結果でない。中国の国家利益が、中国の対外行動をそのような方向に指示するからだ。それで中国は、韓国の死活的かつ本質的な利益において不調和の関係にある国だ。

それではわれわれの死活的利益である統一の成就、より良い暮らしと強い国の建設という大戦略目標を、中国が反対するからと言って放棄せねばならないのか?しかも、中国が韓半島の統一を反対するのは中国の死活的利益と関連したものでないならば、われわれは中国のためにわれわれの死活的利益を放棄するのか?
そうでない。われわれはまず中国を説得せねばならないが、結局は克服せねばならない。

中国の反対にもかかわらず、われわれは米国と一緒に大規模の軍事訓練をした。そして9月にまた西海で訓練することにした。中国がすでに「米国さえいなかったら、韓国をすでに懲らしめたはず」と露骨ではあるものの率直に話した。

それでわれわれは、なおのことアメリカと共にわれわれの国家目標を追求せねばならない。幸いなことに、大韓民国の大戦略目標は米国の国家利益と調和のとれる関係だ。

われわれは窮極的に米国と中国の覇権葛藤の渦中に置かれることになるはずで、戦略的に深刻な選択を強いられるようになる時点に到達するだろう。その時われわれがどちら側に立つべきかは疑問の余地がない。「隣の国は決して真の友好国になれない」、「同盟は遠方の国家と結ぶものだ」という地政学的真理から答が出るからだ。

今回の天安艦撃沈事件は、模糊だった韓国人の対中国認識を確実にするのに一助となり、われわれの国家大戦略の目標を達成するための、われわれの国際戦略がどういうものであるべきかを教えてくれた。
*この文は「未来韓国」2010年8月第1号特集論文として作成した。

http://blog.naver.com/choonkunlee 2010.7.29 22:30