健全な保守政党の出現を望む 洪熒 (2010.6.9) 選挙は民主主義制度の華であり、かつ要である。選挙はその社会の成熟度や健康度を診断できる機会でもある。だからこそ、選挙制度が健康に機能するように努力せねばならない。 李明博政権への中間評価と言える6月2日の地方選挙だったが、李明博政府への評価だけでなく、韓国社会がこれから克服せねばならない諸問題が浮き彫りになった。 今回の地方選挙は、海軍哨戒艦「天安」の爆沈事件という、「6.25戦争」以来の未曾有の安保危機の中で行われた。政府が「天安」を爆沈させた北韓産重魚雷公開したのは投票の2週間前だった。国際社会が金正日政権の侵略行為を糾弾し、李明博大統領の強硬な対北措置を支持する環境の中で行われた地方選挙でもあった。 だが、選挙結果は野党の勝利。「政変」と言えるほど常識的に起こりえない現象だった。親北勢力は正常な選挙運動でなく、北側と連帯して戦争の不安を煽る扇動と謀略、つまり反逆的選挙運動を展開した。民主党は天安艦爆沈と金正日は無関だと主張してきただけに、投票1週間前から、李大統領とハンナラ党の対北膺懲は戦争を招くというキャンペーンに出た。李明博大統領の最大の弱点である没概念と卑怯さを衝く戦術だが、民主党は勝利のために敵(金正日)と露骨に連帯した。選挙には勝ったが、自ら親北勢力であることを証明した。 今回も政治的良識に挑戦した犯罪暦のあるものや悪質的な兵役忌避者がたくさん出馬した。昨年自殺した盧武鉉前大統領の路線継承を誓った、「486主思派」の核心人士ら(李光宰江原道知事、安煕正忠南道知事、宋永吉仁川市長など)が堂々と復活した。彼らには、政治資金法違反や、「北核」を露骨に擁護してきた前歴があった。有権者たちはそれを知りつつ支持した。この常識なき投票行動とそれに伴う結果は有権者の責任だ。 もっとも、北韓産魚雷CHT‐02Dの物証を提示されても、天安艦の爆沈事件が金正日の仕業であることを認めなかった人々が有権者の4分の1もいた。常識の基準がここまで異なると、一つの共同体を維持するのが難しくなる。 国家の安全を護るための基準・常識を統一させる責任は政府にある。法治こそ唯一・最高の基準であるはずだが、李明博大統領は、自らに課せられた憲法的・歴史的責務を果たそうとせず、法治を破壊する勢力を温存させている。 先週、韓米連合軍の戦時作戦計画5027を敵に漏洩した現役陸軍将星が摘発されたが、「主敵」を同伴者と強弁した親北左翼政権の国家的反逆構造もまったく是正されていない。ローマは外からの侵略で滅びたのでない。内部から崩壊したのだ。 天安艦爆沈への膺懲と自衛権に反対する内部の敵‐野党や親北勢力に対して、李明博大統領とハンナラ党は一言の反駁もしていない。「中道実用」と経済回復ばかりを言っている。李大統領は、天安艦爆沈後誤った分析と報告で大統領と国民を騙した青瓦台安保ラインの一人も処分していない。あらゆる権力の周辺が病んだ価値観を持つ者らで溢れている。 親北野党はもちろん、中道与党も常識人の国民に深い挫折感を与えている。ビジョンのない国民は滅びる。韓国社会に常識を取戻すため戦う健全な保守政党の出現なしに、北韓開放も韓国の未来もない。(2010年6月7日) |