これと同じことが今、中国と金正日政権との間に起きてきている、ということではないでしょうか。5月13日付中国共産党機関紙傘下の「環球時報」、国営新華社系の新聞「国際先駆導報」などが、前述の北の「核融合」発表に対し、「核の綱渡りをやめろ」(朝鮮日報5月14日)と厳しい批判をしていることがそれを裏付けています。中朝の核の「覇権争い」という側面と、中国が下手に締め上げると金正日政権を崩壊に追い込み、ポスト金正日の急変事態を自ら招きかねないので、そのリスクは避けたいという打算もあり、依然として朝・中の駆け引きが続いているのではないかと思われます。 核拡散の張本人は中国 洪 中国が独自の原爆開発に着手したのはご指摘の通り中ソ対立がきっかけですが、初の原爆実験は、ちょうど、東京オリンピック開催期間(1964年10月)中でした。日本をはじめ欧米への報復の意志表示という象徴的もあったと思います。結局、中国は原爆を背景に国連の常任理事国になりますが、その後の中国共産党の動きを見ますと、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの第3世界の反米を応援し、イスラム過激派やポルポト派を援助し、北やパキスタンなどに核技術を提供します。中国共産党こそが核拡散の張本人です。 教養ある人々の中の多くの人が鄧小平を称賛しますが、これはとんでもない間違いです。中国共産党のプロパガンダが創りだした鄧の顔は「改革開放」「市場経済」とソフトですが、彼の本当の顔は、「アメリカ帝国主義」の手足を縛るために、平壌やパキスタンやイスラム世界などに核技術を拡散するように命じ、天安門事態の時「民主化」の要求を武力鎮圧するように指令した共産主義者です。 中国共産党指導部にとって、北に核技術を教え、彼らが原爆を保有しても北京に敵対する政権でなければ心配はありません。北の力を西側に向けさせればアメリカなどに対抗手段として都合がよく、もし北京に敵対するようになったら、1979年にベトナムにやったように武力で抑えればよい、と考えて世界戦略を行なってきたのです。だが、中国はアメリカの力の衰退気味や日本の無気力などを見ながら、いよいよ北を直接管理することにしたようです。 日韓が北の体制転換の決断を 佐藤 アメリカ国務省は金正日訪中で、北に「変化なし」と冷たい反応を示しています。「まず韓国哨戒艦『天安』沈没に関する真相を究明してから、6者協議再開論議を行なう」という態度は変わっていません。岡田克也外務大臣は、天安撃沈事件で「韓国の立場を支持し、必要な協力は惜しまない」と表明しました。 一応、天安撃沈で韓国、日本、アメリカの足並みが揃ったわけですが、この3国の団結いかんで、中国の対応も変わります。 今まで繰り返し言ってきたことですが、北の体制を変えなければ同じことが果てしなく続くということです。何よりも韓国と日本が決断しなければ、情勢は変わらないことで意見の一致を勝ち取ることでしょう。 |