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制裁⑭
連載35回目 米国が先導した対ベトナム制裁解除
五味洋治
(2010.4.7)

 

    米国は制裁解除を、相手国との関係改善の一歩とすることが多い。

 

    ベトナムの場合、米国によるベトナムへの凍結資産解除が、国交正常化への1つのシグナルとなった。しかも制裁解除は一方的に米国側から始まったところに特徴がある。

 

    1977年に米国は対ベトナム旅行制限を解除。ベトナムがいわゆる改革開放路線を取り、経済復興に米国の援助を求めたことが背景にある。

 

    94年2月には、ベトナムへの経済制裁全面解除を発表している。

 

    95年1月には凍結資産解除のための清算協定を締結し、その6ヵ月後の7月に国交を正常化した。段階的ながら迅速な制裁解除であった。

 

    北朝鮮がベトナムのように、経済の開放を進め、米国との融和関係を図った場合、制裁解除が第一歩になる可能性がある。

 

    北朝鮮の対応はこれまで「米国の強硬には超強硬で対応」というものだった。2009年には、金正日総書記の健康問題、国内経済の悪化などが要因となって対話路線に転じている。ベトナムのような米国依存は考えられないが、今後の展開が注目される。