在日韓国民団の日本「地方参政権」獲得運動に対する所感 洪熒 (2010.2.5) 自ら「生活人団体」であることを強調している在日韓国民団が「地方参政権」獲得に組織的執念を示している。 当初「地方参政権」の獲得を掲げたのが誰なのか私は知らない。そもそも、私は「地方参政権」という言葉に違和感を覚える。参政権が国と地方に区別されるものだという説は分かり難い話だ。むしろ「外国人参政権」という方がもっと的確な気もするが、これが法律的な用語なのかどうかも分からない。 民主主義国家で一般的に認められている請願、あるいは陳情は何でもできると思われる。だが、最初にこの「地方参政権」を提起した側から、現在推進している人たちからも具体的な意図や狙い、社会的・法律的根拠に対して説明がない。直接説明を聞きたい気持ちだ。 「在日」の日本当局・日本社会への要求運動は、長年行った「差別撤廃」運動がある。主に生活や福祉面の「差別撤廃」が目標だったが、これには呼応した日本人も多かった。今は日常生活においての「差別」はあまり言われなくなった。まだ色んな「差別」が残っているという主張もあるが、極端な言い方をすれば、完全な平等など共産主義をやってみてもできなかったことだ。 ところが、この「差別」の撤廃や解消という結果を、果たして「運動」の成果と見なすべきかどうか。「運動」を主導した側は自分たちの手柄だという。差別の解消が自分たちの運動のお陰だというのはあまりのも自己中心、組織の論理だが、こういう話は、つまり、「差別撤廃」運動は、差別を撤廃させるという目的の外に、「運動」を主導する「運動組織」のための運動でもあったのだ。 在日外国人の生活や福祉面での「差別」の撤廃・解消は、結局は、経済・社会的環境条件の変化と改善が先行してなされたと言えよう。 「指紋押捺撤廃」運動は「在日」が勝利を勝ち取ったものの、テロとの戦いで今や特権をもつ彼ら「在日」の外に外国人は日本に入国する度指紋を照会する。これから日本国民でない外人の生体情報の収集は拡大されるという。 話を「地方参政権」、参政権に戻そう。まず、参政権が国政と地方に分けられるものなのか。抽象的、観念的な理論・論理はさて置き、現実の身近な例を見よう。 先月、沖縄の普天間基地の米海兵隊ヘリ部隊の受け入れの可否がイシューだった名護市長選挙は、日本中はもちろん、アメリカや韓国までが注目した(多分、北京や平壌側も注目したはず)ように、国政選挙でも殆んど取上げられなかった国家の外交安保に関わる選挙だった。 名護市市民の一部は「生活の問題」だというかも知れないが、これが単なる名護市だけの問題でなかったのは明確だ。「地方参政権」とは地域生活の問題ばかりを対象とし取扱うはずだと説明してきた人々はこういう状況を想定していたのか。 元々、権利には義務と責任が伴う。参政権は、近代国民国家において国民側が国家への忠誠を前提として得られた権利と理解される。 参政権が国(共同体)への忠誠と責任を前提とするものなら、「在日」は日本国を忠誠の対象にすることになる。ここで重要なことを確かめておかねばならない気がする。 「在日」は、こういう側面を理解した上で「地方参政権」を要求しているのか。 「民団」は、組織として所属している構成員(全体民団員)の日本国への忠誠を代弁しているのか。個人の国家への忠誠の問題を「民団」が決められる権限を持つと思うのか。 「民団」組織や指導部は自ら「生活人団体」を標榜している。「生活」と参政権は次元が違うはずだ。「民団」の活動を見れば、本国からは理解しがたい、理不尽なことが多い。 何より、「反国家団体」である「朝総連」との関係だ。「民団」は「生活人団体」であるせいか、悪魔的独裁者の金正日に忠誠を尽くす「朝総連」やその傘下組織を警戒しない。 「朝総連」は、日本の植民地時代と比較できないほど惨い状態に置かれている北韓同胞を救おうとしない。「朝総連」組織は「生活人団体」でなく、「金氏王朝」の独裁に服務する民族反逆勢力だ。「朝総連」は自らのことも何一つ決められない、金正日のアバターに過ぎない。 「民団」社会では、この「朝総連」を交流・協力の対象と思う人々が少なくない。そしてそういう人々ほど「地方参政権」に熱心のように見える。「朝総連」組織が、正常社会‐日本社会と和合を目指していないことは良識のある人間なら分かるはずだ。 でも、同じ民族ではないかというが、自由な社会で暮らしながら悪魔(金正日)を指導者として崇める僅かの人たちは、同族でなく、「100年植民地」から解放を待ち望んでいる2千万の北韓住民が同族だ。脱北して、中国各地へ売られている朝鮮の女性たちこそが韓国人が救うべき同族だ。 「在日」にも「民団」にも当然請願の権利があるから、「地方参政権」に執着するのは彼らの選択だ。だが、物事には優先順位というのがある。特に、組織としての存在を問われるような場合はなおさらだ。 「民団」は、「地方参政権」問題で日本国へ「圧力」を加えるように本国にまで請願したが、本国の安保に寄与するため、日本政府に沖縄の米海兵隊基地の県外(日本国外)への移転を中止するような請願も出して見たらどうか。 「運動」が望みをかなえ、世の中を変えられると本当に信じるなら、人民を虐殺し、外国人まで拉致し、核ミサイルで韓国と日本を威嚇する金正日を退場させる運動をやろうではないか。(2010.02.05) |