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制裁⑤
連載26回目 最も効果のあった金融制裁の皮肉な結末
五味洋治
(2009.12.18)

 

    ブッシュ政権は2002年12月、ウクライナとナウルに疑わしい資金が流れ込み、金融統制が信頼できないという理由で資金洗浄優先懸念国家に指定した。米の金融機関は自主的にクライナ関連取引を回避したり、厳しく対応したりし始めた。ウクライナ政府は米の要求どおり資金洗浄関連法を強化、米が主導する資金洗浄防止システムに積極的に協力することを約束した。

 

    ウクライナ政府がこうした措置を取るや、ブッシュ政権は4か月後の2003年4月にこれを撤回し、見事に成果を挙げた。

 

    米国が北朝鮮に科した金融制裁は、最も劇的な効果があったと言ってもよいだろう。

 

    これは「愛国法311条」により、マカオの銀行にあった北朝鮮の口座を凍結し、北朝鮮へのカネの流れをストップさせるねらいだった。マカオの銀行は取り付け騒ぎが起き、各国の銀行は北朝鮮との金融取引をやめてしまった。

 

    これらの制裁は、米商務省輸出統制局(BXA)、米財務省外国資産規制庁(ODAC)が担当した。

 

    北朝鮮は、北京で開かれていた核問題の六カ国協議をボイコット。同国のメディアを総動員して金融制裁の解除を強く求めた。米国は、2007年になって制裁を解除している。

 

    各国の利害が衝突する北朝鮮を巡っては、効き過ぎる制裁は長く続けられないというジレンマを如実にしめしたといえる。