Ⅱ 北朝鮮国連代表部の機能と謎③
連載16回目 突然動き出す対話チャンネル 五味洋治 (2009.10.7) 米朝交渉は、両国の外務省レベルで行われているが、北朝鮮の国連代表部も、米国との外交窓口としてそれなりの役割を果たしている。 米国側はこれまでも北朝鮮側とは、直接会ったり、ファックス、電話などの方法でニューヨークチャンネルを通して接触してきたと明らかにしている。 たとえば、ブッシュ政権で、米国の6カ国協議席代表だったクリストファー・ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2008年3月18日にスイス、ジュネーブで北朝鮮の金桂寛外務省次官に会った。 この席でヒル次官補は金次官に核申告と関連したある種の新しい提案をした。内容は公表されなかった。 その返事を北朝鮮は、ニューヨークチャンネルを通して、米国に伝達したと伝えられる。 また北朝鮮は2007年12月ジョージ・ブッシュ米国大統領が金正日国防委員長に送った親書に対してニューヨークチャンネルを通して、口頭の返信を送ったこともある。 ニューヨークチャンネルは90年代初めに確立したとみられる。1993年3月、北朝鮮が核拡散禁止条約(NPT)から脱退し、第1次北朝鮮核危機が起きた。 この時ロバート・ガルーチ国務省次官補は、北朝鮮核問題解決のためにニューヨークで姜錫柱北朝鮮外務次官と一連の会談を行い、ニューヨークチャンネルが関心を呼んだ。 それ以外にも、核をめぐる交渉はニューヨークで行われることが多かった。 ただ、米国外交官たちはニューヨークチャンネルを「POST OFFICE(郵便局)という別称で呼んでいる。 自分の意見を言うことは許されず、単に連絡機能しかないことを皮肉った表現だ。 |