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万景峰号入港と拉致被害者をバーターで取り返せ
佐藤勝巳
(2009.10.2)

 

    鳩山由紀夫首相が9月30日、拉致被害者家族と面会し、全力を挙げて拉致を解決すると表明した。金正日政権を相手に拉致、核、ミサイルという最も難しい案件であるだけに、期待するところ大である。

 

    鳩山首相並びに中井洽担当大臣にお願いしたいことは、「拉致した日本人全員を帰すなら、万景峰号の入港を認める」と提案して欲しい。金正日政権が反応を示してくる可能性は低くないと私は見ている。

 

    拉致問題の協議は、従来6者協議の枠内で話し合われてきたが、私の提案は、カネを出すというものではないから、核とのバランスを考える必要がなく、日朝2国間の判断で処理出来る案である。

 

    金正日政権にとって、万景峰号の日本への入港にはのっぴきならない事情が存在している。金正日政権がこの提案に乗ってこなくても駄目でもともとの話、こちらがダメージを受けることはない。提案に応じなければ制裁を強化すればよい、それだけの話である。

 

    鳩山首相との面会を終えて、報道機関のぶら下がり取材に応じた横田早紀江さんが疲れ切った顔で「今まで何人かの総理大臣から同じような話を聞き、期待してきましたが、今回も期待する以外ないと思います」という趣旨の話をしていたが、かなり率直に被害者家族の感想を代表していたと思われた。

 

    政府の救出のやり方をどう評価するのか、立場によって異なるのはやむをえないが、半世紀以上も続けてきたダム建設をばっさりと中止するぐらいなら、万景峰号入港と拉致被害者の取引など易しい、本当に易しい交渉であるはずだ。これが私の鳩山内閣への期待と提案である。