連載9回目 米情報機関はどこまで北朝鮮を知っているか? 五味洋治 (2009.8.20) 米国の情報機関は、CIA(米中央情報局)FBI(米連邦捜査局)米軍など関係部署を合計すると60あると言われている。朝鮮語の分かるスタッフを置いているところもある。FBIは、最近対北朝鮮の部署を強化していると言われている。 これら情報機関、中でもCIAがどう北朝鮮情報を収集しているかは不明なところが多い。脱北者からの聞き取りや、衛星からの写真分析などを行っていると思われる。私がアメリカに滞在していた2008年には、関係者から「今韓国から元北朝鮮軍の幹部クラスが来て、あちこちで説明している」という噂を聞いたものだ。 2008月9月9日、金正日総書記が脳卒中で倒れたとのニュースが、アメリカから伝えられた。AP通信とロイター通信が同時に、ワシントン発で、ほぼ同じ内容の記事を流したのだった。 APは、匿名の米情報当局者の話として、北朝鮮の金正日総書記が脳卒中も含め、重大な健康上の問題に陥った可能性があるとの見方を伝えた。ロイターは「西側情報筋」として、脳卒中になったとの観測を伝え、「これまでのところ政権に変化の徴候はないが、総書記が引き続き統治可能かについては、憶測するしかない」との言葉を報じた。 金正日総書記については、平壌で行われた建国60年の行事に姿を見せなかったことを受け、健康悪化説に拍車が掛かっていた。 このニュースの情報源は、CIAだったと思われる。独自に入手した情報なのか、韓国からの情報なのかは不明だが、これが金正日総書記病気説を一気に広げた。 ニュース報道を見る限り、金正日総書記の病気について、CIAは完璧な根拠を持っていた訳ではなさそうだ。北朝鮮側の反応を見るため、わざと情報を漏らした可能性がある。 |