現代コリア

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朝鮮情勢、金正日の体調が焦点

(2009.7.17)

佐藤勝巳

 

    金正日政権完全孤立

    世は挙げて総選挙に向けて、自民党の内紛騒ぎに目をとられ、朝鮮半島情勢などに関心を持っているものは少ない。「現代コリア」だから朝鮮情勢にこだわる。

 

    北朝鮮情勢のポイントは、金正日国防委員長の健康問題に絞られてきている。

 

    オバマ政権の江南号追跡、金融制裁などの毅然たる対応、李明博政権の国連決議実行という非妥協的な態度、その他中国・ロシアなどの国連決議を根拠にした戦略物資規制の圧力と、国際的圧力が急速に高まってきている。これとトップの健康悪化が重なって、北朝鮮権力上層部は鋭い緊張が支配していると推定される。

 

    本ネットで趙甲済氏が紹介している(7月10日付「政府と与党は『北核開発資金提供疑惑事件』を調査せよ」を参照されたし)ように、李明博大統領は7月7日、ワルシャワの「ユーロ・ニユース」のインタビューで、「過去10年間、膨大な資金を(北韓へ)支援したが、その資金が北韓社会の開放を手助けするのに使われず、核武装に利用されたという疑惑がでている」

 

    「(金正日総書記は)最も閉鎖された社会の指導者であり、北朝鮮は完璧に閉鎖されわれわれとして理解できない地球上の唯一の国だ」(産経新聞7月16日)と、北に対するかつてない厳しい批判を行なった。韓国を脅してカネを取るという金正日政権の思惑もこれで絶望的となった。

 

    このままの状態が続けば、金正日政権は孤立無援、彼らに救いの手を伸べるものはいない。仮に後継者を決定していたとしても、26歳の青年に権力が移譲できるかどうかは、予測もできない危機的状況に追い込まれている、と推定される。

 

    一般論であるが、このようなピンチに立たされたとき、決まってアメリカなどとの対外政策をめぐって、強硬・非強硬に意見が分かれるのが普通である。最終決断を下すのが金正日委員長である。健康であっても、ストレスは想像を絶するものがある。まして病人においておや。

 

    父金日成が心臓マヒで死亡したのはカーター元大統領と会談した直後である。私はストレスが引き金になったと今でも思っている。

 

    早くも「友愛外交」のほころび

    民主党鳩山由紀夫代表は、非核3原則の核の持込みを容認する方向で検討する旨の発言をした、と思って鳩山発言を調べてみた。鳩山氏は「米国が核を搭載して日本に入港させる意味がなくなった」、だから非核三原則の見直しが必要という文脈になっている。

 

    その後の報道関係者との質疑を読むと支離滅裂、何を言っているのか意味不明。そもそも「米国が核を搭載して日本に入港する意味がなくなった」とはどういうことか。金正日政権が核兵器を保有して、同盟国韓国・日本を恫喝してきたら、アメリカ第七艦隊の空母、イージス艦、攻撃用原子力潜水艦、駆逐艦のすべてが核を搭載しなければ、抑止できない。

 

    鳩山由紀夫代表は何を考えてこんなことを言っているのか、訳がわからない。この点をメディアは糾すべきなのに誰も糾していない。メディアの水準も問題だ。

 

    社民党福島瑞穂党首は、「意味が分からない。協議するなら、核持込ませずという方向で協議すべきだ」と注文をつけた。同党重野幹事長は「(連立)政権の一翼を担う前提条件はいろいろある。われわれの琴線に触れることを平気で言うのは、いかがなものか」と露骨に不満を表明している。

 

    それにしても選挙前から「友愛外交」のほころびが始まった。民主党はその上で左翼の亡霊、社民党と連立を組むのだという。目茶苦茶なことになる。

 

    自民党の一部議員は、自分達で選んだ総裁が駄目だから辞めろと騒いでいるが、選挙は立候補者が戦い取るもので、総裁の力で当選しようなどと考えるのは本末転倒も甚だしい。

 

    この国の政治はどうなるのか、と嘆いてみても結局は、「民度」の反映に他ならないのだ。