現代コリア

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北のミサイルを迎撃すべきだ

佐藤勝巳

(2009.2.27)

 

    いよいよ金正日政権がミサイル実験という切り札を切ってきた。この結果如何によって、東アジア情勢、いや世界情勢までにも大きな影響を与えかねない緊張した情況が出現しつつある。

 

     北朝鮮宇宙空間技術委員会は2月24日のスポークスマン談話で、衛星運搬ロケット「銀河2号」による試験通信衛星「光明星2号」の打ち上げ準備が本格的に進められていることを明らかにした。

 

    また、「打ち上げのための準備が咸鏡北道花台郡『東海衛星発射場』で本格的に行われている」(電子版、朝鮮時報2009年2月25日)と、発射場所も公表した。

 

    通信衛星でも核爆弾でも運搬するロケットは同じものである、とこれまでも繰り返し書いてきた。だから、上記談話の「銀河2号」とは「テポドン2号」のことである。

 

    問題は、金正日政権の発射した弾道ミサイルを、オバマ政権は情報収集のみで終わらせるのかどうかである。金正日政権は実験を「宇宙開発と宇宙の平和利用」の一環と言っている。しかし、それは表向きの話で、軍事的にはアメリカのアラスカにある米軍基地をも攻撃できる弾道ミサイルの実験であることは明白なる事実である。つまり、今回の金正日政権の行動は、オバマ新政権への公然たる軍事挑戦だということだ。

 

    アメリカは、クリントン国務長官をはじめ高官たちが発射中止を再三求めている。だが、金正日政権が発射を中止するとは、今のところ考えられない。国内的には経済危機対策、対外的にはイラクからアフガニスタンへの軍事介入で手一杯のオバマ政権に、ミサイル発射という軍事挑発をかけても、武力で反撃できないから、オバマ政権は話し合いに応じてくる、と金正日政権は読んでいるのだ。

 

    オバマ政権の対応について2月10日、ゲーツ国防長官は「北朝鮮が米本土を狙ったテポドン2号の発射準備を続けるなら、米国はこれを迎撃する態勢を整える」(韓国連合ニュース2月11日)ことを明らかにした。

 

    迎撃態勢を整えるということと、撃ち落とすということは全く違う。しかし、発言しているのは軍の最高責任者であるから、その意味は軽くない。撃ち落とすかどうかの判断はオバマ大統領の決断にかかっている。

 

    ミサイル防衛(MD)で撃墜した場合(現在の技術水準では撃墜の確率50%程度と見ている専門家もいる)、以下のことが考えられる。

 

①北朝鮮の軍事力は壊滅的打撃を受け、政権崩壊に繋がりかねない。中国の弾道ミサイルも無力化し、アジアの軍事バランスは根本的に変ってしまう。

 

②北朝鮮の核実験、ブッシュ政権のテロ支援国家指定解除によって、日韓の草の根で核保有論(核のドミノ現象)が澎湃と台頭してきていたが、それを抑止することができる。

 

③アメリカの権威を保ち、株価を上げることにプラスに作用する。

 

④在日朝鮮人の金正日政権離れは、1回目が1998年のテポドン実験後、2回目が2002年の金正日が日本人拉致を認めたときである。今回また、テポドン2号を太平洋上に撃ち込み、米日のミサイル防衛に捉えられ大気圏外で爆破されたら、金正日政権・総聯支持など口に出せなくなる。総聯中央本部の差し押さえも迫っており、総聯は崩壊の危機に直面するだろう。

 

    オバマ政権がテポドン2号を迎撃せずに見過ごした場合。

 

①オバマ政権は、外交安全保障問題で、昨年9月のアメリカ発金融危機と同程度の信用失墜という深刻なダメージを蒙るであろう。

 

②東アジアでは即アメリカ頼りにならずとなり、多少の時間差はあるが、核のドミノ現象が表面化する重大な事態を迎えるであろう。

 

③総選挙の結果、仮に民主党政権が生まれたなら、日米の同盟のあり方をはじめ、わが国の安全保障を、拉致救出をどうするのか、経済政策は何をどうするのか、全く不透明な政治状況の出現が予測され、皆目見当もつかなくなる。

 

    ここまで書いてきたら、2月27日付産経新聞一面に、日本防衛省が金正日政権のミサイルテポドン2号の迎撃を検討していると報道した。この報道が本当であって欲しいと願っている。何時までもうじゃうじゃしていないで、自国防衛のために断固として行動すべきときである。