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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.12.18)

 

連載(12)
第8章 研究し、万一に備える

 

核保有、最善でない

 

    一方、北朝鮮はいかなる環境で核放棄を決断するのか。韓国国防院の報告書は、(1)米国の強力な核放棄実現への意思(2)米国との外交関係樹立と経済支援の獲得(3)核保有に対する中国と韓国の反対(4)日本から戦後補償金100億ドルの獲得(5)軽水炉支援の実現――と分析している。

 

    北朝鮮は、米国と国際社会からの経済制裁や国内経済の不振により「核開発」が体制維持の最善の方法ではないと認識している。北朝鮮の基本的戦略は「核保有と米国との関係正常化」だ。まず、核問題の解決に関して、米国と基本的な認識を一致させる。朝鮮半島の平和体制樹立を実現、米国との関係正常化を進め、最後に非核化を実現することだ。

 

    核施設無能力化と、すべての核計画申告に合わせて、テロ支援国解除と、対敵国交易法の中断の実現を求める。

 

    最終的な核兵器、核物質放棄の代価として、軽水炉の提供、米国との外交関係樹立を要求する。実際6カ国協議はこの方向に進んでいる。

 

    核施設や核開発プログラムに関する話し合いは積極的に受け入れるが、核兵器の放棄は最大限引き延ばす。核を保有している段階で韓国に対し、「米国の核の傘」の撤去、韓国内の米軍基地への強制視察、軍縮会談の開催などを求めてくる可能性もある。

 

    たとえ米国との関係正常化が実現しても、自国の体制への保証が不十分な場合は、核保有を続けるとみられる。体制の安全が保証されれば、核兵器放棄に応じるとの見方は甘いということだ。