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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.12.3)

 

連載(8)
第8章 研究し、万一に備える

 

国境警備隊の真実

  

    関係者によると、中国との国境地帯の警備隊は1995年の金正日の指示によって、それまで国家安全保衛部に所属していた「警備隊」が軍に移管された。中朝国境を「隠れた38度線」と位置付け、国境や港湾など重要地点の警備を担当している。
  約1万人で構成する旅団が基本で、内部には参謀部、後勤部、政治部の3つの部署がある。11海外警備旅団と第31警備旅団(平安北道)、第13(平安南道)、第15(黄海南道)、第17(江原道)、第19(咸鏡南道)、第21(咸鏡北道)、第23(鉄道、橋梁、軍用鉄路)、第25(両江道)、第29(慈江道)で、計24カ所となる。
  警備方式には大きく5つあり、武装巡視、潜伏、遠方からの監視、特殊勤務、応急勤務だ。武装勤務は軍犬を連れ、実弾15~30発、空発3発を込めた銃を携行する。潜伏は通常夏に行われ、平服を着て越境者を取り締まる。遠方監視は昼間、望遠鏡などで周囲を監視する。特殊勤務は中国と北朝鮮の祝日に行われる。応急勤務は、特別な状況が生まれた時に兵力を増強して対応する勤務形式だ。
  しかし兵士は規定の穀類など一日800グラムの食事が与えられず、少ない時には300グラム。粥(かゆ)が主食で食事は日に2回だけ。上官が配給米の大半を横取りしている。軍内部の雰囲気は険悪で虐待、体罰が横行。希望者が減ったためか徴兵は95年、従来の年2回から1回に減り、新兵の比率も7割から5%に下がった。入隊者の年齢は16~26歳で、勤務期間は10年。1996年12月からは13年に延長された。入隊後、成績のよいものは平壌にある李載順(警備隊英雄)軍事大学で勉強できるという。