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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.11.25)

 

連載(5)
第7章 関係を不断に発展させる

 

緩衝地帯は不要

 

    香港誌は「朝鮮情勢に対する中国の新戦略」(注5) と題して、最近の朝鮮半島情勢に触れている。同誌は中国寄りの姿勢を取り、指導部内部の情報を伝えることで知られている。

 

    「昨年7月、朝鮮はミサイルを試射し、国際的な大問題を巻き起こした。中国も慣例を破り、国連安保理での非難決議に賛成票を投じた。かつての戦友である中朝の関係が今後、どのように変化するのか、これまで安全保障上の盾だった朝鮮半島が平穏を維持できるか否かは、明らかに中国指導者が考慮せざるを得ない大問題となっている」と前置きした後、中国の取るべき対応を語っている。

 

    「十数年来、中国大陸周辺の安全保障問題における第一の焦点は台湾海峡だったが、 両岸の対峙(たいじ)状況が緩和されるに伴い、朝鮮半島の危機の激化が東部における極めて不安定要素となっている」と指摘した。

 

    その上で数年前まで、中国人は抗美援朝戦争(朝鮮戦争)を総括する際、この戦争で二つの大きな成果があったことに非常に強い安堵(あんど)を感じていた。それは50年の平和的局面を手に入れたことと、約1500キロの安全保障上の緩衝地帯を生んだことである。

 

    現在「半島北部の安全保障上の緩衝地帯はあてにならず、朝鮮の核問題が激化してからは、不測の事態を引き起こしかねない火薬庫となった。もし爆発が起き、それが核に引火すれば、鴨緑江を隔てるだけの中国に大災難をもたらしかねない」。

 

    さらに中朝間の伝統的友情については「これまで中国人は常に歴史上の中朝の緊密な関係を好んで語ったが、実際には国力が対等でない二国間関係は緊密であれば緊密なほど一方に心理的アンバランスが生じやすい」と述べている。北朝鮮は「われわれはあなた方の歩哨になっている」として中国に一方的援助を求めているとして「中国は安全保障上の緩衝地帯をもうけるという観念を拡大し、手段も増やさなければならない」として、北朝鮮との根本的関係見直しを提言した。

 


(注5)鏡報(香港誌):2006年9月号