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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.11.13)

 

連載(18)
第6章 国際世論を味方にする

 

勝手に出来ない

 

    こういった関係の変化は、最近中国側の指導者層の発言からも直接読み取れるようになってきた。2007年7月に米国を訪問した中国の郭伯雄中央軍事委員会副主席は18日、ワシントンでアメリカのライス国務長官とラムズフェルド国防長官と会談。翌19日に米国防大学で演説した。この中で「北朝鮮は主権国家なので、独自的に状況を評価して、事態を処理する方式がある」として、「中国が北朝鮮に対して、これはしてはいいが、あれはしてはいけない、と強要することができない」と語っている。ラムズフェルド国防長官との会談では北朝鮮のミサイル発射問題も議題に上ったが中国は北朝鮮をかばうことはしなかったという。

 

    郭副主席は北朝鮮がミサイル打ち上げを事前に通報したかについて、「北朝鮮の試験発射に、私はもちろんのこと他の中国の高位指導者たちも驚いた」として、「アメリカの情報消息筋を引用したマスコミの報道を通じて、ミサイル打ち上げに関する消息が分かった」と明らかにした。これは中国の偵察能力にもかかわるが、あながち米国へのリップサービスともいえないだろう。事実「不意打ち」だったと思われる。

 

    郭副主席は「当時私はすべての手段とチャンネルを動員して、ミサイル打ち上げの証拠を捜し出すように指示した」と付け加え、「ミサイル打ち上げに対する北朝鮮消息筋の意見は不明なものだった」と説明した。

 

    2007年10月の南北首脳会談で、朝鮮戦争「終戦宣言」や平和体制構築を目指し「当事国3~4カ国の首脳」の協議を進めることとした南北首脳宣言の第4項をめぐり、中国に波紋が広がった。

 

    韓国側は「3カ国」は中国を除いた韓国と北朝鮮、米国の意味で受け取っており、金正日の提案を韓国が受け入れたものだった。朝鮮戦争に義勇軍を派遣して多くの犠牲者を出し、休戦協定に調印した中国としては問題視せざるをえない点といえる。

 

    中国政府内には、核実験を受けた国連安全保障理事会の制裁決議で中国が賛成に回ったことへの「意趣返し」との見方もあった。