北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.11.5) 連載(6) 第6章 国際世論を味方にする 楽観論 中国は北朝鮮に対して過度に楽観的だった。2005年9月の共同声明発表直後、韓国大使も務めた李濱・朝鮮半島核問題担当大使(当時)は、崔天凱部長助理(外務次官補)、劉建超外務省スポークスマンとともに一部の外国マスコミに対し、会談の内幕についてブリーフした。大部分は、合意にこぎ着けた舞台裏の話だった。 たとえば、「協議に参加していた劉建超外務省スポークスマンは仕事に打ち込むあまり、自分の紅茶の中に牛乳を入れ、そのまま飲んでしまった」などいう笑い話に近いものだ。 旧暦8月15日に当たるこの時期、中国では「月餅(げっぺい)」を贈り物にする習慣がある。会談の会場となった釣魚台迎賓館は、この月餅がなくなってしまい、17日になって専属の調理師が新たに月餅を作った。ただし、保存料が入っておらず賞味期間は3日間限定。この間に合意できなければ、中国側が月見の宴のため作った月餅は無駄になってしまう」と呼びかけ、協議の進展を図ったことも伝えている。武首席代表も各国首席代表と1対1でひざ詰め談判を繰り返し、語句を調整した。 |