北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.10.30) 連載(2) 第6章 国際世論を味方にする 伏線 この強烈な発言には伏線があった。話は3カ月前の同年7月にさかのぼる。北朝鮮はミサイルを7発日本海に向けて発射し、国際社会の強い批判を浴びていた。そんな中、北朝鮮の楊亨燮最高人民会議常任委員会副委員長が訪中し、胡錦濤国家主席と会談した。北朝鮮の朝鮮中央放送は12日、胡主席が「現在、朝鮮半島情勢では一部の新たな複雑な要素が現れている」「朝鮮の隣邦として中国側はこれに注目しており、われわれは朝鮮半島情勢に緊張をもたらす、すべての行動に反対する」との発言を引用した。 もちろん胡主席はこの中で「伝統継承、未来志向、善隣友好、協調強化」という決まり文句である中国の16字目標も口にしており、合わせて紹介されてはいる。しかし、北朝鮮の国営放送が、自国への批判ともとれる発言を流したことは驚きだった。会談では、かなり厳しい調子のやりとりがあったのは間違いなさそうだ。
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