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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.10.28)

 

連載(19)
第5章 裏切られても関係を守る

 

核開発に拍車?中韓国交

 

    中国の韓国接近に対し金正日は、中国への反発を強めた。93年3月「社会主義に対する誹謗は許さない」で、中国の改革・開放政策を「社会主義的所有を私的所有に転換させ、資本主義搾取制度を蘇らせる道でしかない」と批判し、自国の正当性を強調した。

 

    こうした北朝鮮の非難に対して李鵬首相が93年2月はじめ、中国の対南北朝鮮政策を次のように概括した(注29)。

 

(1)北朝鮮とは新たな政治・軍事上の協議はしない。

 

(2)イデオロギーの相違による南北朝鮮の緊張激化に反対する。

 

(3)南北朝鮮の非核地域化・核兵器不開発を支持し、外国か朝鮮半島に核兵器を貯蔵するの

      を許さない。

 

(4)南北朝鮮が対話と平和交渉を通じて最終的統一を達成するのを支持する。

 

(5)北朝鮮に先進的軍事装備を提供せず、他国か韓国に提供するのにも反対する。

 

(6)韓国と国交を樹立し友好関係を発展させるのは、アジアの平和にかなう中国の対外基本政

      策の一つである。

 

(7)現段階で韓国が北朝鮮に戦争をしかける可能性と条件はない。

 

(8)北朝鮮との長年の友好関係の維持を願い、中朝両国政府と人民を損なう最近の言動を北

      朝鮮がただちに中止することを望む。


    中国は韓国と国交樹立した後も「中朝友好協力相互援助条約」を継続している。しかしその後北朝鮮の核開発疑惑が拡大し、北朝鮮と日米の国交樹立は現在まで達成できていない。中国が韓国との国交を樹立したことが北朝鮮に強い失望感を与え、北朝鮮は密かに核開発に突っ走っていく。

 

 

(注29)「鏡報」:1993年3月号