北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.10.20) 連載(7) 第5章 裏切られても関係を守る 生き残った中朝軍事同盟 中朝間で結ばれた条約は、「中華人民共和国と朝鮮との間の友好、協力及び相互援助条約」。1961年7月11日、北京で当時の周恩来首相と金日成首相の間で調印された。すでに40年以上が経過しているが現在も有効であり、毎年調印を記念した行事が行われている。 条約によれば、マルクス・レーニン主義及びプロレタリア国際主義の原則に基づき、「兄弟のような友好、協力及び相互援助関係」を発展させることを表明。「いずれか一方の締約国が武力攻撃を受けて戦争状態に陥ったときは他方の締約国は、直ちに全力をあげ、軍事上その他の援助を与える」と規定。また、相五援助義務や他の同盟、ブロックへの不参加なども規定している。 武力攻撃を受けた相手国への軍事援助を定めているため、北朝鮮の核問題が米朝の軍事緊張へと発展した場合、中国は条約上、軍事協力しなくてはいけなくなる。この条約を結んだ直後、周恩来は北朝鮮の臨時代理の馬東山主催の宴会で、北朝鮮が中国を支持してきた感謝の思いを、こう強調している。 中朝両国は唇歯相依の友好的隣国であり、また社会主義大家庭の中の親密な兄弟である。(中略)朝鮮人民が中国人民に与えてくれた支持と援助が、中国人民が朝鮮人民に与えた支持と援助に比べて、より早く、より多かった。今日、社会主義陣営の東方の最前線を守る北朝鮮が、わが国の安全と建設を保障し、アジアと世界の平和を守るための最大の要素となっている。われわれは中朝両国人民の偉大な友誼を永遠に重要視するであろうし、また朝鮮人民の中国人民にたいする力強い支援に対して永遠に感謝するであろう。 北朝鮮が「社会主義陣営の東方の最前線を守る」という表現に、中国の危機感と期待がこもっていた。 |