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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.10.15)

 

連載(3)
第5章 裏切られても関係を守る

 

建国直後の戦争

 

    朝鮮半島の情勢がきな臭くなっていくのは、中国の建国からわずか1年後の1950年だった。中国指導部は北朝鮮が「祖国解放戦争」に乗り出すことをうすうす予知していたとされる。ただ米国の参戦は予想しておらず、戦争の開始がこれほど早まることも考えていなかった。

 

    同年6月25日、北朝鮮軍が韓国内に進攻した。27日、トルーマン米大統領が声明を発表した(注3)。「越境攻撃を阻止し、国内の安全を維持するための韓国の武装政府軍部隊が、北鮮(北朝鮮)からの進入攻撃を受けている。国連安全保障理事会は、進入軍に敵対行動を中止し、38度線に戻るよう要求している。北鮮軍はこれに応じないばかりか、攻撃を強化している。私は米国空海軍に、韓国軍に対して援護と支援を与えるよう命令を下した」と韓国支援を明言した。

 

    さらにトルーマンは台湾情勢にも触れる。「本情勢下において、共産軍が台湾を占領する場合には、太平洋の方面の安全と、同方面で合法的かつ必要な活動をしている米国軍の安全に、直接脅威を与えることになる。そこで私は台湾に攻撃が加えられないよう行動すべく第7艦隊に命令を下した」というものだった。

 

 

(注3)堀江芳孝訳「トルーマン回顧録2」:241~242ページ、恒文社、1975年