北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.10.3) 連載(12) 第4章 個人的関係でつなぐ 総出で歓迎 平壌国際空港に28日到着した胡を出迎えたのは、金正日総書記をはじめ、最高人民会議の金永南常任委員長らだった。金正日が指導幹部を伴い外国要人を出迎えたのは、2001年9月の江沢民・中国国家主席(当時)以来。北朝鮮が中国のトップの訪問をいかに重視しているかを示した。 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、28日の紙面のほぼ3分の1を胡訪問に関する記事で埋めた。朝鮮中央放送も胡到着後、北朝鮮の革命歌の合間に中国の愛国歌「愛我中華」(わが中華を愛す)を流し、中朝関係に関する特別番組を放送した。 胡主席は平壌到着の書面の声明でこう語った。「中朝親善・協力関係の内容を不断に豊富なものにし、中朝親善・協力の歴史の新たなページを引き続き刻むことを、私はこの席を借りて、再度宣言する次第である」 沿道でも市民数十万人が手を振ったり、歓迎スローガンを掲げる中、1回目の中朝首脳会談が行われた。 胡主席は、百花園招待所(迎賓館)で金正日と1回目の会談を行った。両国両党の新たな協力関係強化を確認し、朝鮮戦争以降続いている伝統的な「血の友誼」関係をとりあえず再確認した。 会談で胡は、朝鮮労働党60周年と朝鮮解放60周年を祝賀した後、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について「重要な成果を挙げた。中国は朝鮮半島の非核化の目標と、対話による(核問題の)平和的解決の方向を堅持する。共同声明の目標を実現し、第5回協議が新たな進展を得られるよう北朝鮮や関係各国とともに努力していく」と強調した。 さらに、両国関係発展のため、ハイレベル交流の継続と交流分野の多角化、経済貿易協力の推進、共通利益の保護―の4項目を提案した。社会主義革命による自主平和統一事業を実現するために強大な国家を建設するよう願い、「中朝の友誼は、わが国と党としては戦略的方針を変えることなく友好協力関係を共同責任で発展させたい」と述べた。 これに対し金正日総書記は「友好関係が濃厚な時期の訪朝で意義深い。両国の友好関係を新たに高潮させ、関係強化の重要な契機としたい」と歓迎。最後に「中国の援助に感謝する。朝中の友好発展を揺るぎない戦略方針とする」と約束した。 |