北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.9.30) 連載(7) 第4章 個人的関係でつなぐ 後継者は人民が選ぶ 「人民日報」にも、1980年9月18日と19日に渡り、中国のケースを引き合いに出しながら、権力者の「終身制」と、「指定後継者」を批判する記事が掲載されたことがある。息子への権力継承を図った北朝鮮への批判と受け取られた。 「領袖と人民」と題されたその記事にはこうある。終身制度と、権力者による後継者の決定は「古代政治の遺物」とし「むしろ政局を安定させるよりも不安定にさせる」と強調。「われわれの国は社会主義国である。人民が主人公になって国を作る。領袖の権限は人民が与えたものであり、後継者を指定する権限はない」。婉曲的ながら社会主義国での独裁体制と後継者指名の誤りを指摘した。 第3世代指導者の差し迫った任務(1989年6月16日)との論評は、「国の運命が一人か二人の個人的声望の上に置かれるのは不健全であり、非常に危険なことだ。いったん事件が起こったら収拾がつかない」とも指摘している。 |