現代コリア

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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.9.29)

 

連載(5)
第4章 個人的関係でつなぐ

 

四川を経済視察

 

    二人の関係のハイライトは1982年9月のことだ。鄧小平は、中国一の人口を誇り、穀倉地帯である四川省の訪問を勧めた。ここは自分の故郷でもある。金も「何回も中国に来たが、四川省には行ったことがないから」と快諾した。

 

    二人は膝を合わせるようにして列車に乗り、成都に到着した。市郊外の双流県の白家公社顧風大隊を訪問した。ここはメタンガスを生活に利用していることで知られていた。

 

    村人数百人が中朝両国の旗を振って大歓迎した。二人はその中で、曹徳昌の家を訪ねた。8部屋、200平方メートルの大きな家だった。煮炊き、発電、照明などすべてをメタンガスでまかなっている。金日成は「これはいい」と感激し、「われわれにもできる。朝鮮には人糞も牛の糞も草もある」と北朝鮮でも導入することを約束した。

 

    金日成とともに四川省を訪問した際、中国の経済発展戦略に触れ「第1に農業、第2にエネルギーと交通、第3に教育と科学、教育と科学をよくすることが鍵だ。文化大革命の誤りの一つは10年間人材育成を遅らせたことだ」(9月18日)と述べている。中国が抱える負の面も見せ、金日成にも経済の重要性を悟ってもらいたかったのかもしれない。この説得の仕方は、中国の伝統として対北朝鮮政策で引き継がれていく。