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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味洋治
(2008.9.16)

 

連載(7)
第3章 資源を押さえる

 

金以外の資源

 

    石以外の主な資源としては北朝鮮が熱心に売り込むマグネサイトがある。埋蔵量が36億トンで世界で1位を占めており、咸鏡南道・北道と両江道地域に集中的に埋蔵されているという。

 

    マグネサイトは耐火物質の原料で、宇宙船で使われる耐火タイルなどに利用されており、アメリカの企業も北朝鮮産のマグネサイトに関心を示しているといわれている。

 

    電子製品と電池などに使用される亜鉛は、北朝鮮の剣徳鉱山やケサン鉱山、成川鉱山、ファプン鉱山などで主に生産されており、規模が最も大きい剣徳鉱山は、年間12万4000トンの亜鉛生産能力を持っている。

 

    燐灰石(りんかいせき)は肥料などの化学製品を作るのに必要な「燐」の原材料で、北朝鮮に豊富に埋蔵されているといわれている。

 

    北朝鮮の主要なエネルギーである石炭にも中国企業は進出した。金属製品の生産や交易などを業務とする中国五鉱集団公司(五鉱集団)は2005年、北朝鮮貿易省との間で石炭業務に関する合弁会社を設立の協議書に署名した。龍登炭坑を開発する。北朝鮮の資源分野において、外資系企業に合弁事業が開放されるのは初めてだという。また、経済特区以外の場所で、外資系企業が設立した初めての合弁会社だった。

 

    北朝鮮の出炭量は、1976年度は5000万トン、1986年度は7800万トンである。1976年度の出炭量のうち無煙炭は、おおよそ、4500万トンだった。

 

    無煙炭のほかに、B褐炭、瀝青炭代用と呼ばれているものと褐炭を産出している。朝鮮最大の石炭埋蔵地である平壌地方とその周辺での採炭開始が始まったのは1903年。この石炭は、中国の山東省にも輸出されている。1907年の出炭は2500トンだったが、そのうち国内消費は700トンだった。2年後の1909年には5万3000トンのうち国内消費は5万トンを占めた。

 

    日中戦争開始で、石炭工業は軍需産業として組織される。1932年には、100万トンに拡大し、1941年からは、朝鮮人強制徴用によって出炭量は、飛躍的に増大する。

 

    1944年には、705万トンであるが、そのうちでも無煙炭は、453万トンを占めている。これらの石炭は、工業と交通用として85%、発電用として3%、家庭用として5%が使用された。北朝鮮の埋蔵量は147億トンに達し、採掘が可能な量は79億トンといわれている。埋蔵量が多いのは价川、順川、徳川など平安市道北部の炭田地帯である。

 

    その第2位は、平壌、大同、江西、江東などの大同江沿岸の平安両道の南部炭田が主な生産地だ(注4)。

 

 

(注4)朝鮮総連編『資料朝鮮民主主義人民共和国』:301~307ページ、1990年