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北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~
五味 洋治
(2008.9.2)

 

連載(4)

第2章 経済と油で支配する

 

重工業崩壊、富裕層の登場


    北朝鮮の対中輸出の内訳を見ると、水産物が最も高い比率を占めており、鉱石、鉄鋼、衣類などが続く。一方、対中輸入は鉱物性燃料(主に石油)、肉類、穀物、機械類などが多い。北朝鮮への輸入は、エネルギーや食糧に偏っており、近年肉類や、車やバスも増えている。VCD(ビデオ、CD、プレーヤ)などの電気機器類も上位を占め、文化的な生活を楽しむ富裕層の出現を伺わせる。


    原油の場合、1980年代にはソ連に依存してきたが、90年代に入り北朝鮮の外貨事情が厳しくなり、中国への依存を強めた。1999年以後原油とコークスなど鉱物性生産品は、ほぼ全面的に中国に依存している。

 

    1990年代以後現在まで、北朝鮮の工場稼動率は3割程度にとどまっているとされる。このため、屑鉄同様になった機械設備を輸出して、外貨を儲けるしかなくなっているようだ。一次商品と基礎段階の加工品中心の輸出が上位を占めるのは、北朝鮮の重工業をはじめとする製造業全般が崩壊していることを示している。