北朝鮮は、なぜ中国に逆らえないのか~愛憎の中朝60年~ 五味洋治 (2008.8.29) 連載(16) 第1章 自国内での金儲けを認める 外国人に貸すはずがない 一方、この第一百貨店との経営請負契約を疑問視する報道が中国側から相次いだ。同百貨店の責任者が契約の話を全く知らず、改修工事をしている形跡もないと報じた(注5)。さらに(1)第一百貨店は平壌を象徴する建物であり外国人に貸すはずがない(2)経済特区でもない平壌で、外国人が独自に企業経営を行うのは北朝鮮の法律上困難――など5つの疑問点を挙げた。北朝鮮側も、曽会長との契約について何も発表していない。 温州の現地紙は曽会長に対し、「平壌でのビジネスを利用した抱き合わせ商法ではないか」「北朝鮮国民の購買力には限界があり、過度な期待は禁物」と批判記事を掲載している。 そこで、曽会長に会って、疑問点を直接ぶつけてみた。会長は「北朝鮮は秘密保持をしたがる国だ。契約が知られていないのは当然。とても地位の高い人と契約した。契約書もあるが、今は持っていない」と言う。結局、この話はその後、立ち消えになった。中朝貿易にはこういった詐欺まがいの話が横行している。 (注5) 「国際先駆導報」(国営新華社通信系の新聞)の平壌特派員ルポ : 2004年9月13日 |