現代コリア

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米国に、「不倶戴天の敵でない」と語り始めた北朝鮮
李春根 / 自由企業院副院長

(2007.12.24)


    去る11月16日、米国のニューヨークで開かれた、全米外交政策協議会とコリア ソサエティーが開催したセミナーに参加した北朝鮮の官僚は、北朝鮮が米国と友好的関係を結ぶことを願っており、米国との関係正常化を望むという北朝鮮政府の意志を伝達したという。特に、この会議に参加した北朝鮮官僚のひとりは、「金正日が米国を『徹天之怨讐』(不倶戴天の敵)とは思わない」と言及したと伝えられた(12月15日付報道)。北朝鮮当局者のこの発言に対し、一緒にセミナーに参加した米国政府関係者は、米国政府も北朝鮮を永遠なる敵だと看做していないと応じたと伝えられた。

 

    コンドリザー・ライス米国務長官は12月21日一年を総括する年末の記者会見で、北朝鮮に対して北朝鮮が米国に対して話をしたのと似た論調の話をした。すなわち、北朝鮮とイランなどいわゆる「悪の枢軸」の国々と関連、「米国に永遠なる敵(permanent enemies)はない」と話したのだ。

 

    しかし、このような言及が米国と北朝鮮の間に何か大変なことが起きるのを意味することでもなく、また米国の外交政策に深刻な変化が生じたことを意味するものでもない。アメリカに永遠の敵がない、ということは米国の外交政策関連教科書の最初に出る一般常識的な話だ。

 

    米国は独立するため英国と戦争し、1812年の戦争では英国軍隊がワシントンの米国大統領官邸に火を放ったほどであった。米国はソ連と同盟(第2次大戦)でもあったし、不倶戴天の敵(『徹天之怨讐』)のように対する(冷戦)こともあった。米国は日本・ドイツと最悪の敵対国(第2次大戦中)だったが、歴史上最良の同盟(2次大戦以後)でもあった。アジアおよびヨーロッパで、米国に匹敵するほどの覇権国が出現することを防ぐ、ということを大戦略の鉄則とする米国は、アジアとヨーロッパで覇権を目指す国々を敵と看做し、これに対抗する国を同盟とする。それが誰でも構わない。

 

    北朝鮮はすでに2004年7月、白南淳外相が「米国を永遠の敵と考えない」と言及したことがあった。とにかく、北朝鮮が米国を「徹天之怨讐」(不倶戴天の敵)と思わないということは、遅れながらも北朝鮮が国際政治の鉄則を悟り始めたという事実を暗示する。国際政治の鉄則に基づくなら、国境を接している国が最も危険な国だ。北朝鮮のような小国が、中国のような大国と国境を接している、ということ自体が北朝鮮の安全と独立・自主に本質的な脅威要因だ。そのような北朝鮮が、中国を永い間自分の生存を保障する同盟国として考えたということは、それこそ「冷戦的考え方」であった。イデオロギーが同じだから味方だとの勘違いした、ということだ。中国人の高句麗に対する認識、東北の辺境に関する認識は、北朝鮮が感じるには、単純な歴史戦争をはるかに超える、重大なことに違いないはずだ。窮極的に北朝鮮の安全を保障する国は、中国と相対的均衡(counter balancing)を成し遂げてくれることができる能力がある国である。すなわち米国である。

 

    しかし、金正日政権が米国と関係を改善するためには、越えるべき山があまりにも多いということが現実的な悩みであり、事実は不可能なジレンマだ。

 

    米国はすでにブッシュ大統領の親書を通じ、今年末まで北朝鮮が核施設を誠実に申告することを要求した。もちろん、北朝鮮が誠実に申告したかの可否は米国が判断することだ。米国が北朝鮮に求めるのはプルトニウム核爆弾(長崎型の核爆弾と同じ)の製造が可能な寧辺の核施設を不能化するのはもちろん、2002年以来北朝鮮の核問題の本質だったウラニウム核爆弾(広島型核爆弾)製造に関する全てのことを告白せよということだ。北朝鮮は、もちろんウラニウム核爆弾は開発しなかったと強弁している。ライス国務長官は「北朝鮮が核兵器疑惑を正確に解明しない場合、米国との関係改善を通じ恩恵を得られない」とはっきりした線を引いた。

 

    米国は北朝鮮に「人参(飴)」の可能性を開けておくと同時に、「ムチ」という外交手段も継続的に稼動させている。北朝鮮が技術を輸出したシリアの核施設を爆撃し破壊するようにし、北朝鮮製の武器を積んだ船舶らを撃沈させている。もちろん米国が直接軍事力を行使したのではないが、イスラエルやスリランカなど反テロ同盟国の軍事作戦の背後に米国があるという事実が分からない人はどこにもいない。

 

    もはや北朝鮮がこれ以上頼る所はない。北朝鮮の機嫌を取るのに汲々とした韓国の左派政府も今回の大統領選挙で終わった。北朝鮮はもう政権の安寧ではなく、国家と民族の安寧と幸福のための大決断を下さなければならない。