拉致切捨て策動強まる 佐藤勝巳 (2007.7.30) 米ヒル代表は6月27日朝鮮半島の恒久平和体制を話し合う北朝鮮、韓国、中国、米国、中国の4カ国会合を提案した。引き続き彼は7月の6者協議中に、米国が金正日政権に食糧などの人道支援を示唆した(産経新聞)。 中国の国連大使は7月10日金正日政権に対する国連の制裁決議解除を:検討すべきだとの考えを示した(塩崎官房長官は即否定した)。 一方、韓国は「軽工業・地下資源開発協力事業」と称して11月末までにコメ・肥料以外で初めて95品目の生活関連資材約8.000万ドル(BDA預金30億円の3倍強)、約96億円 の支援を行うことを決定した。 韓国が衣類や靴、石鹸など北朝鮮の軽工業品生産に必要な原材料を提供し、北朝鮮は、代償として希少金属など国内の地下資源の開発権を韓国に認めるというものだ。 盧武鉉政権は、中国に北の地下資源を支配させたくないという思惑と年末の大統領選挙を念頭に援助をさらに拡大する気配である。 以上の諸事実は、安倍政権の金正日政権に対する制裁堅持・強化政策と明らかに対立するものである。日本から見るとこれらの動きは、拉致救出の大きな障害となっている。 これだけではなく、ヒルは米国の思い通りにことを進めるために、「拉致が進展しないと重油の負担は出来ない」という日本の政策に北と組んで、拉致を切り捨てる可能性はないのかである。
懸念の根拠は、1月のべルリンの米朝会談以来、バンコ・デルタ・アジア(BDA)送金問題に対するヒル(ブッシュ政権)の動きは、背後に何があるかは別にして、6者協議を通じ纏めよう、纏めようという焦り、譲歩に次ぐ譲歩だ。
6者協議の中でヒル、盧武鉉、金正日、胡錦涛の間に、多少の温度差はあるが、日本の拉致解決要求が彼らにとって「障害」になっていることは明らかだ。
今年の春、北筋から休戦協定を平和協定に代え「朝鮮半島の平和体制」を確立、米朝国交正常化し「日本のカネを当てにしないで金正日体制保障システムを作る」という情報が入っていた。現時点では不幸にして流れはその方向に動いている。
私の単なる思い過ごしあれば幸いであるが、日本の重油カードは、カード足りえない情勢が秘かに生まれて来ているのではないか。彼らが重油経費を負担、日本を6者協議から排除、拉致問題をうやむやにするというシナリオはないのか。金正日政権はそう考えていることは間違いない。
早急に日本の安全保障を含む6者協議にどういうスタンスで臨むのか、拉致対策本部は、緊急に戦略論議の必要が生じてきているのではないか、と私は考えている。
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