情報機関の設立を急げ 佐藤勝巳 (2005.4.11) 「救う会」と拉致被害者家族会役員数名は、4月上旬、中越地震で延び延びになっていた新潟県の泉田裕彦知事を表敬訪問した。 その際、2団体から知事の権限で万景峰号の新潟港入港を許可しないよう要請した。 要請理由の一例として、あるとき某亡命工作員に、入港した時の万景峰号の乗組員の写真を見せた。すると金正日政治軍事大学(6年間の工作員養成機関)出身者が1人乗船していた事実が確認されたことを紹介した。 すると泉田知事は「そんな情報は私のところに全く入っていない。県警本部は警察庁の指揮下にあり、警察の情報は知事には入らない。万景峰号を入港させないようにと言われても、私は何の判断材料を持ち合わせていない、軽々には動けない」という趣旨の話を語気を強めて語った。 泉田知事の話を聞きながら、万景峰号に乗ってきた工作員の写真を確認できた省庁は、上層部に当然報告したであろう。 では当該官庁が万景峰号に関係する外務省など関連省庁にこの情報を流しただろうか。どうでも良い情報は流すが、最も重要な情報は入手した省庁が秘匿して、決して他の官庁には教えない。この事実は公然の秘密である。だから各省庁の情報を総括し、首相官邸に報告する内閣情報調査室にもこの情報は上がっていない。ウソだと思う人がいたら問い合わせて見て欲しい。 こんな状態で、新潟県知事に情報など流れるわけがない。わが国で拉致や核に関するどんなに重要な情報を(ある官庁)入手しても、信じ難いことであり、恐ろしいことであるが、各省庁間のセクト主義によって、わが国は政府内で情報の共有化も総合的な分析もできないのである。従って、対策も立てられない致命的な欠陥国家なのである。 その証拠は、長年の間、拉致が無視され、かつ現在に至るも解決できないでいるのも、また、北朝鮮のミサイル・核開発の主要なハード・ソフトが日本から北朝鮮に流れているのを阻止できないでいるのも、全て上記の欠陥に原因がある。 制裁を発動しない小泉首相の責任は、万死に値すると思っているが、指摘した致命的な欠陥が基本にあるから、首相にこんな態度を取らしているのだ。国家の安全を保障する要である情報機関の設立を最優先すべきときであることを、拉致問題を通じ痛感させられる。 |